ベクトルの垂直条件と内積の関係を解説!垂直なベクトルの求め方!

ベクトルの垂直条件と内積の関係を解説!垂直なベクトルの求め方!

今回解決する悩み

「ベクトルの垂直ってなに?」
「垂直なベクトルはどうやって求めるの?」

今回は数学Bのベクトルから「ベクトルの垂直条件」に関するこんな悩みを解決します。

高校生
ベクトルを習い始めたばかりで...

 

2つのベクトルが垂直のとき、以下の式が成り立ちます。

ベクトルの垂直条件

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)があります。

ベクトルの垂直条件

2つのベクトルが垂直な関係にあるとき、内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)となり、以下の式が成り立つ。

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1})、\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)のとき、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \bot \vec{b} &\Leftrightarrow& \vec{a} \cdot \vec{b}=0\\
&\Leftrightarrow& x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0
\end{eqnarray}

「垂直だったら内積0」として覚えておきましょう!

 

今回はベクトルの垂直条件について詳しく解説していきます。

内積との関係や、練習問題を使いながら分かりやすく説明していきますので、苦手意識を持っている方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

※本ページは学習アプリのプロモーションが含まれています。

シータ
ベクトルが苦手な方は
ぜひ最後までご覧ください。

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数学講師歴8年目に突入
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それではベクトルの垂直条件について解説していきましょう。

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ベクトルの垂直条件

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)があります。

ベクトルの垂直条件

2つのベクトルが垂直な関係にあるとき、内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)となります。

ベクトルの垂直条件

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1})、\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)のとき、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \bot \vec{b} &\Leftrightarrow& \vec{a} \cdot \vec{b}=0\\
&\Leftrightarrow& x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0
\end{eqnarray}

参考

ベクトルの内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}\)については別の記事で解説しています。

ベクトルの成分表示の意味と求め方!これでベクトルの形が分かる!
ベクトルの内積の公式と求め方を分かりやすく解説!

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垂直条件の証明

先ほど紹介した垂直条件について、証明していきます。

ベクトルの垂直条件は以下でした。

ベクトルの垂直条件

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1})、\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)のとき、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \bot \vec{b} &\Leftrightarrow& \vec{a} \cdot \vec{b}=0…①\\
&\Leftrightarrow& x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0…②
\end{eqnarray}

まず、\(\vec{a}\bot\vec{b}\Leftrightarrow\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)…①を証明していきます。

+ ①の証明

\(\vec{a}\bot\vec{b}\)であるということは、2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)がなす角\(\theta\)は\(90^{\circ}\)である。

このとき、\(\cos 90^{\circ}=0\)であるから、内積の定義から

\begin{eqnarray}
\vec{a} \cdot \vec{b}&=&|\vec{a}||\vec{b}|\cos 90^{\circ}\\
&=&|\vec{a}||\vec{b}|\times0\\
&=&0
\end{eqnarray}

次に\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0 \rightarrow \vec{a}\bot\vec{b}\)を証明します。

\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)であるということは、内積の定義より、

\[\vec{a} \cdot \vec{b}=\left|\vec{a}\right|\left|\vec{b}\right|cos\theta=0\]

いま、\(\vec{a}\neq0,\ \vec{b}\neq0\)であるから、\(\cos\theta=0\)

よって、\(\theta=90^{\circ}\)となり、2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)が垂直に交わると言える。

以上から、\(\vec{a}\bot\vec{b}\Leftrightarrow\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)

次に、\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\Leftrightarrow x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\)…②の証明については、内積の定義で簡単に説明がつきます。

+ ②の証明

\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\rightarrow x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\)から証明します。

内積の定義より、

\[\vec{a} \cdot \vec{b}=x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}\]

よって、\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)であるとき、\(x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\)

次に\(x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\rightarrow\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)を証明します。

こちらも内積の定義より、

\[\vec{a} \cdot \vec{b}=x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}\]

今、\(x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\)であるから、\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)

以上から、\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\Leftrightarrow\ x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0\)

aベクトルに垂直な単位ベクトル

ここからは垂直な単位ベクトルについて解説します。

よく出題される問題で「あるベクトルに垂直な単位ベクトルを求めなさい。」という問題があるので必ず押さえておきましょう。

まずは、単位ベクトルについて復習しましょう。
単位ベクトルとは、下図のような大きさが1のベクトルです。

単位ベクトル

単位ベクトルの定義をおさえながら、例題を見ていきます。

単位ベクトルの例題

\(\vec{a}=(2,1)\)と垂直な単位ベクトル\(\vec{t}=(x,y)\)を求めましょう。

単位ベクトルですので、\(|\vec{t}|=1\)であることから、

\[x^{2}+y^{2}=1\]

参考

\(\vec{t}=(x,y)\)のとき

\[|\vec{t}|=\sqrt{x^{2}+y^{2}}\]

また、\(\vec{t}\)が\(\vec{a}\)と垂直であるとき、2つのベクトルの内積は0になります。

よって、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \cdot \vec{t}&=&0\\
\left(2,1\right) \cdot \left(x,y\right)&=&0\\
2x+y&=&0\\
y&=&-2x
\end{eqnarray}

先ほどの、\(x^{2}+y^{2}=1\)を使って、

\begin{eqnarray}
x^{2}+{(-2x)}^{2}&=&1\\
5x^{2}&=&1\\
\displaystyle x^{2}=\frac{1}{5}\\
\displaystyle x&=&\pm \frac{1}{\sqrt5}\\
\displaystyle x&=&\pm \frac{\sqrt5}{5}
\end{eqnarray}

したがって、求める単位ベクトルは、

\(\displaystyle \vec{t}=(\frac{\sqrt5}{5},-\frac{2\sqrt5}{5}),(-\frac{\sqrt5}{5},\frac{2\sqrt5}{5})\)

となる。

1つのベクトルに対して垂直なベクトルは2つありますので、両方とも答えになります。

 

高校生
この問題を解くのに色々な公式を使いましたね
この問題1つでベクトルの理解が深まるね!
シータ

垂直条件を用いた練習問題

ここからは、垂直条件を絡めたベクトルの練習問題を紹介していきます。
丁寧に解説していきますので、ぜひ一緒に解いてみましょう。

練習問題①

練習問題①

\(\vec{a}=(2,-1),\vec{b}=(5,k)\)とする。

このとき、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに垂直となるような\(k\)の値を求めよう。

解答をチェックする

\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに垂直であるから、垂直条件より、2つのベクトルの内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}\)の値は0となる。

内積の定義より、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \cdot \vec{b}&=&0\\
2\times5+\left(-1\right)\times k&=&0\\
10-k&=&0\\
k&=&10
\end{eqnarray}

したがって、\(k=10\)

練習問題②

練習問題①

\(\vec{a}=(k,1),\vec{b}=(k,k-6)\)とする。

\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに垂直であり、\(|\vec{a}|=\sqrt{10}\)となるような、\(k\)の値を求めよう。

解答をチェックする

まず、\(\vec{a},\vec{b}\)が互いに垂直であるから、垂直条件よりベクトルの内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}\)は0となる。

2つのベクトルの内積は、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \cdot \vec{b}&=&0\\
k\times k+1\times(k-6)&=&0\\
k^{2}+k-6&=&0\\
(k-2)(k+3)&=&0\\
k&=&2,-3
\end{eqnarray}

よって、\(k=2,-3\)

(ⅰ) k=2のとき

\(\vec{a}=(2,1)\)なので、

\[|\vec{a}|=\sqrt{2^2+1^2}=\sqrt5\]

(ⅰ)k=-3のとき

\(\vec{a}=(-3,1)\)なので、

\[|\vec{a}|=\sqrt{{(-3)}^2+1^2}=\sqrt{10}\]

今回の問題の条件から\(|\vec{a}|=\sqrt{10}\)であるから、\(k=-3\)

高校生
コツを掴んできた気がします!

ベクトルの平行条件

垂直条件にあわせて、ベクトルの平行条件も知っておきましょう。

ベクトルの平行

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1}),\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)があるとき、

\[\vec{a}//\vec{b}\Leftrightarrow\vec{b}=k\vec{a}\]

となる実数kがある。

また、

\[\vec{a}//\vec{b} \Leftrightarrow x_{1}y_{2}-x_{2}y_{1}=0\]

別記事では、この平行条件について詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

ベクトルの垂直条件 まとめ

今回はベクトルの垂直条件について学習しました。

まとめ

ベクトルの垂直条件

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}、\vec{b}\)があります。

ベクトルの垂直条件

2つのベクトルが垂直な関係にあるとき、内積\(\vec{a} \cdot \vec{b}=0\)となり、以下の式が成り立つ。

0ではない2つのベクトル\(\vec{a}=(x_{1},y_{1})、\vec{b}=(x_{2},y_{2})\)のとき、

\begin{eqnarray}
\vec{a} \bot \vec{b} &\Leftrightarrow& \vec{a} \cdot \vec{b}=0\\
&\Leftrightarrow& x_{1}x_{2}+y_{1}y_{2}=0
\end{eqnarray}

 

ベクトルの垂直条件でも内積は欠かせないので「ベクトルの内積」についてもしっかりと理解しておく必要があります。

ベクトルの内積はこちらの記事で詳しく解説しています。

ベクトルのなす角を求める方法!平面・空間どちらもマスターしよう!
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それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

みんなの努力が報われますように!

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  • この記事を書いた人

ゆうや

当サイトの運営者。
指導歴8年目の数学講師。大学1年生から塾講師バイトを始め、これまで300名以上を指導。オンライン家庭教師のご依頼・お申し込みは、こちらの公式アカウントから承っております。詳しいプロフィール

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