- 余弦定理ってなに?
- 余弦定理の公式を忘れた
- 余弦定理はどうやって使うの?
今回はこんな悩みを解決します。
さっそくですが、辺BCの長さがいくつになるか分かりますか?

「これだけの情報では求められないですよ」
そう思った方多いんじゃないですか?
実は「余弦定理」を使えば、辺BCの長さを簡単に求めることができます!
それが余弦定理!
そんなあなたに向けて、余弦定理についてまとめていきます。
・余弦定理
・余弦定理 証明
・余弦定理の課題問題
・余弦定理<練習問題>
余弦定理
余弦定理は三角形に使う定理です。
各頂点A,B,Cとして、向かい合う辺をa,b,cとする。
余弦定理△ABCにおいて、次が成り立つ。
- \(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos A\)
- \(b^{2}=a^{2}+c^{2}-2ac \cos B\)
- \(c^{2}=a^{2}+b^{2}-2ab \cos C\)
この関係を余弦定理といいます。
余弦定理は辺の長さと三角比を用いた重要定理の1つです。
余弦定理の公式を変形することで角の大きさを求めることもできます。
- \(\displaystyle \cos A=\frac{b^{2}+c^{2}-a^{2}}{2bc}\)
- \(\displaystyle \cos B=\frac{a^{2}+c^{2}-b^{2}}{2ac}\)
- \(\displaystyle \cos C=\frac{a^{2}+b^{2}-c^{2}}{2ab}\)
余弦定理 証明
なぜ余弦定理が成り立つのか証明していきましょう。
\([1] 0^\circ < A < 90^\circ\)のとき
上の図のように点A,B,Cをとる。
\(A(0 , 0)、B(c , 0)\)とすると、Cは\((b \cos A , b \sin A)\)となる。
頂点CからX軸へ垂線を下して、その交点をHとおく。
三角形\(CHB\)に注目して三平方の定理を用いると、
\(a^{2} = |c – b \cos A|^{2} + (b \sin A)^{2}\)
\(= c^{2} – 2bc・\cos A + b^{2} (\cos^{2}A + \sin^{2}A)\)
すなわち
\(a^{2} = b^{2} + c^{2} – 2bc・\cos A\) となる。
\([2] A = 90^\circ\)のとき
角Aが直角の場合、△ABCは直角三角形になる。
三平方の定理より
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}\)
となる。
\(\cos A = \cos 90 = 0\)であることから、
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos A\)
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}\)
よって、角Aが直角の場合も
\(a^{2} = b^{2} + c^{2} – 2bc・\cos A\) が成立する。
\([3] 90^\circ < A < 180^\circ\)のとき
上の図より、BHとCHは以下のようになる。
\(BH=c+AH\)
\(=c+b \cos (180^circ-A)\)
\(=c-b \cos A\)
\(CH=b \sin (180^circ-A)\)
\(=b \sin A\)
\(BCH\)に置いて、三平方の定理より
\(BC^{2}=BH^{2}+CH^{2}\)
したがって
\(a^{2}=(c-b \cos A)^{2} + b^{2} \sin^{2}A\)
\(=(c^{2}-2bc \cos A+b^{2} \cos^{2}A)+b^{2} \sin^{2}A\)
\(=c^{2}-2bc・cosA+b^{2}\)
したがって、
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc・cosA\) は成立する
\([1][2][3]\)より余弦定理の証明終了。
余弦定理の課題問題
冒頭で登場した今日の課題を一緒に解いていきます。

2辺とその間の角の大きさが分かっているので、向かい合う辺BCの大きさを求めることができます。
辺ABの大きさをaとすると正弦定理より、
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos A\)
\(a^{2}=(3\sqrt{3})^{2}+4^{2}-2 \times (3\sqrt{3}) \times 4 \times \cos 30^\circ \)
\(a^{2}=27+16-36\)
\(a^{2}=7\)
\(a>0\)なので
\(a=\sqrt{7}\)
したがって、BCの大きさは\(\sqrt{7}\)である。
このように余弦定理は辺の長さを求めるときに使います。
余弦定理<練習問題>
今回学んだ「余弦定理」を用いて、練習問題に挑戦してみましょう。
今回は2つのパターンの練習問題を用意しました。
- 辺の長さを求める問題
- 角の大きさを求める問題

解説
余弦定理より、
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos A\)
\(a^{2}=4^{2}+6^{2}-2 \times 4 \times 6 \times \cos 60^\circ \)
\(a^{2}=16+36-24\)
\(a^{2}=28\)
\(a>0\)なので
\(a=2\sqrt{7}\)
したがって、
辺BCの長さは、\(2\sqrt{7}\)である。
つぎに角度を求めるパターンの練習問題を解いてみましょう。
解説
余弦定理
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos A\)を変形して
\(\displaystyle \cos A=\frac{b^{2}+c^{2}-a^{2}}{2bc} \)
ここに分かっている数を代入していく
\(\displaystyle \cos A=\frac{b^{2}+c^{2}-a^{2}}{2bc} \)
\(\displaystyle \cos A=\frac{6^{2}+(2\sqrt{2})^{2}-(2\sqrt{5})^{2}}{2\times 6 \times 2\sqrt{2}} \)
\(\displaystyle \cos A=\frac{36+8-20}{24\sqrt{2}} \)
\(\displaystyle \cos A=\frac{24}{24\sqrt{2}} \)
\(\displaystyle \cos A=\frac{1}{\sqrt{2}} \)
\(0 < \angle A < 180^\circ\)
なので
\(A=45^\circ\)
おわりに
今回は三角関数の余弦定理についてまとめました。
他にも、教科書に内容に沿った解説記事を挙げています。
お気に入り登録して定期試験前に確認してください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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