
・正弦定理はどうやって使うの?
今回はこんな生徒さんに向けて記事を書いていきます。
さっそくですが、辺ABの長さがいくつになるか分かりますか?


そう思った方多いんじゃないですか?
実は「正弦定理」を使えば、辺ABの長さを簡単に求めることができちゃうんです!
これが正弦定理なのです!!

そんなあなたに向けて、三角関数から正弦定理の公式とその証明をまとめていきます。
・正弦定理 公式
・正弦定理 証明
・今日の課題
・正弦定理<練習問題>
学生時代は塾でアルバイト数学講師歴4年
教えてきた生徒の数100人以上
現在は日本一周をする数学講師という独自のポジションで発信中
正弦定理 公式
正弦定理は三角形に使う定理です。
各頂点A,B,Cとして、向かい合う辺をa,b,cとする。
正弦定理△ABCの外接円の半径をRとすると、次が成り立つ。
\(\displaystyle \frac{a}{sin A}=\frac{b}{sin B}=\frac{c}{sin C}=2R\)
正弦定理は三角比を用いた重要定理の1つです。
1つの角度と、向かい合う辺の大きさが分かれば、外接円の半径を求めることができます。
正弦定理の公式を変形することで、辺の大きさや角の大きさを求めることもできます。
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正弦定理 証明
課題を解決していく前に、なぜ正弦定理が成り立つのか確認もかねて証明していきましょう。
三角形の3つの頂点を通す円を、その三角形の外接円といいます。
△ABCの外接円の半径をRとする。
\([1] 0^\circ < A < 90^\circ\)のとき
円周角と中心角の性質により、
\(\angle BDC = \angle BAC =A\)
\(\angle BCD = 90^\circ\)
が成り立つ。
\(BD=2R\)なので、
△BCDにおいて
\(a=2RsinA\)
が成り立つ。
\([2] A = 90^\circ\)のとき
辺BCは、△ABCの外接円の直径になる。
外接円の半径はRであるから、
\(a=2R\)である。
一方で、\(sin A=sin 90^\circ=1\)なので、
\(a=2Rsin A\)が成り立つ。
これで、\(A = 90^\circ\)のときも確認できた。
\([3] 90^\circ < A < 180^\circ\)のとき
上の図で、線分BDは△ABCの外接円の直径とする。
\(\angle BDC=D\)とすると、円周角と中心角の性質より
\(2A+2D=360^\circ\)
すなわち、
\(A+D=180^\circ\)
\(sin D=sin(180^\circ -A)=sin A\)
ここで、
\(\angle BCD=90^\circ,BD=2R\)であるから、△BCDにおいて、
\(a=2RsinD\)が成り立つので、
\(a=2RsinA\)
したがって、正弦定理の証明終了。
今日の課題
では、冒頭でも登場した今日の課題を一緒に解いていきます。

円の半径と角の大きさが1つ分かっているので、向かい合う辺ABの大きさを求めることができます。
辺ABの大きさをcとすると正弦定理より、
\(\displaystyle \frac{c}{sin C}=2R\)
\(\displaystyle \frac{c}{sin 60^\circ}=2 \times 5\)
\(c=10 sin 60^\circ\)
\(\displaystyle c=10 \times \frac{\sqrt{3}}{2}\)
\(c=5\sqrt{3}\)
したがって、ABの大きさは\(5\sqrt{3}\)である。
正弦定理<練習問題>
今回学んだ「正弦定理」を用いて、練習問題に挑戦してみましょう。

解説
正弦定理より、
\(\displaystyle \frac{a}{sin A}=2R\)
\(\displaystyle \frac{5}{sin 45^\circ}=2R\)
\(\displaystyle \frac{5}{\frac{1}{\sqrt{2}}}=2R\)
\(5\sqrt{2}=2R\)
したがって、
\(\displaystyle R=\frac{5\sqrt{2}}{2}\)
解説
正弦定理
\(\displaystyle \frac{c}{sin C}=2R\)
\(\displaystyle \frac{10}{sin C}=20\)
\(\displaystyle sin C=\frac{1}{2}\)
したがって、
\(C=30^\circ,150^\circ\)
おわりに
今回は数学Ⅱの三角関数から正弦定理についてまとめました。
他にも、教科書に内容に沿ってどんどん解説記事を挙げていきます。
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