- 三角関数が苦手
- 三角関数の総復習がしたい
今回はこんな生徒さんに向けて、三角関数の公式が詰まった「完全攻略」記事を書きました。
三角関数は学校の試験だけでなく、大学入試にも必ずといっても良いほど出題されます。
高校数学で習う三角関数をまとめたので、自分に必要な部分だけ読んでいただければ十分です。
数学講師歴5年
教えてきた生徒の数100人以上
目次
三角関数の基本
三角関数には必ず押さえておかなければならない公式があります。
三角関数の公式
まずは超基本の三角関数の公式から確認します。
原点\(O\)を中心とする半径\(r\)の円を描きます。
\(x\)軸の正の方向(つまり右)に対して、線分\(OA\)による角の大きさを\(\angle AOB=\theta \)とするとき、
\(sin \theta =\displaystyle \frac{y}{r}\), \(cos \theta =\displaystyle \frac{x}{r}\), \(tan \theta =\displaystyle \frac{y}{x}\)
このように表される三角比の関数のことを、三角関数といいます。
詳しくは「三角関数(sin,cos,tan)の公式と覚え方」
弧度法(ラジアン)とは?
三角関数を習うと角度を弧度法で表すようになります。
ここでこう思ったんじゃないでしょうか。
「弧度法ってなんだよ。」
「ラジアンってなにもの!?」
弧度法というのは、名前の通り”弧”に注目して角度を表現する方法のことです。
円の半径と弧の長さが等しくなる角度を1rad(ラジアン)といいます。
半径\(r\)の円において、円周の長さは\(2\pi r\)となり、この時の中心角を\(2\pi\)ラジアンといいます。
詳しくは「弧度法とは?弧度法の変換や面積公式すべて解説!」
三角関数の相互関係
三角関数はsin,cos,tanのどれか一つが分かるだけで、その他の三角関数も分かってしまいます。
それには、三角関数の相互関係がとても重要になってきます。
三角関数の相互関係は必ず押さえておきたい重要な公式です。
- \(\sin^{2} \theta+\cos^{2} \theta=1\)
- \(\displaystyle \tan \theta=\frac{\sin \theta}{\cos \theta}\)
- \(\displaystyle 1+\tan ^{2} \theta=\frac{1}{\cos ^{2} \theta}\)
三角関数の相互関係の証明と練習問題もまとめました。
\(\theta+\pi\)の公式
\(sin(\theta+\pi)\)などの変換をまとめました。
- ~\(-\theta\)の公式~
- \(\sin (-\theta)=-\sin \theta\)
- \(\cos (-\theta)=\cos \theta\)
- \(\tan (-\theta)=-\tan \theta\)
- ~\(\displaystyle \theta+\frac{\pi}{2}\)の公式~
- \(\displaystyle \sin (\theta+\frac{\pi}{2})=\cos \theta\)
- \(\displaystyle \cos (\theta+\frac{\pi}{2})=-\sin \theta \)
- \(\displaystyle \tan (\theta+\frac{\pi}{2})=-\frac{1}{\tan \theta}\)
- ~\( \theta+\pi \)の公式 ~
- \(\sin (\theta+\pi)=-\sin \theta \)
- \(\cos (\theta+\pi)=-\cos \theta \)
- \(\tan (\theta+\pi)=\tan \theta\)
詳しくは「θ+π/2,θ+π三角関数の公式と導き方」
三角関数の加法定理
次は三角形の加法定理をまとめます。
加法定理はそのほかの公式の証明に必要なことが多いため、加法定理を理解しておくと考え方の幅が広がります。
加法定理
加法定理の公式はこちら。
語呂合わせの覚え方などは別の記事で解説しています。
加法定理
\(sin(α-β)=sinαcosβ-cosαsinβ\)
\(cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ\)
\(cos(α-β)=cosαcosβ+sinαsinβ\)
\(\displaystyle tan(α+β)=\frac{tanα+tanβ}{1-tanαtanβ}\)
\(\displaystyle tan(α-β)=\frac{tanα-tanβ}{1+tanαtanβ}\)
詳しくは「《加法定理の公式》証明と覚え方を語呂合わせで紹介!」
2倍角の公式
2倍角の定理はよく出てくるので押さえておきたいです。
2倍角の公式\(\sin 2 \theta=2 \sin \theta \cos \theta\)
\(\cos 2 \theta=\cos ^{2} \theta-\sin ^{2} \theta\)
\(=2 \cos ^{2} \theta-1\)
\(=1-2 \sin ^{2} \theta\)
\(\displaystyle \tan 2 \theta=\frac{2 \tan \theta}{1-\tan ^{2} \theta}\)
3倍角の公式
3倍角の公式も載せておきましょう。
3倍角の公式
- \(\sin 3 \theta =-4 \sin ^{3} \theta+3 \sin \theta\)
- \(\cos 3 \theta=4 \cos ^{3} \theta-3 \cos \theta\)
- \(\displaystyle \tan 3 \theta=\frac{3 \tan \theta-\tan ^{3} \theta}{1-3 \tan ^{2} \theta}\)
sin、cos、tanの三倍角の公式と証明、練習問題を用いて解説!
半角の公式
半角の公式は2倍角の公式を利用して半角の三角関数を導く公式です。
ただし、2倍角や3倍角の公式と違って、2乗の形であることに注意が必要です。
半角の公式
- \(\displaystyle \sin ^{2} \frac{\theta}{2}=\frac{1-\cos \theta}{2}\)
- \(\displaystyle \cos ^{2} \frac{\theta}{2}=\frac{1+\cos \theta}{2}\)
- \(\displaystyle \tan ^{2} \frac{\theta}{2}=\frac{1-\cos \theta}{1+\cos \theta}\)
詳しくは「半角の公式と証明、使い方を徹底解説!」
三角関数の合成
三角関数の合成は初めて見たとき驚きますよね。
「どうしてそうなった!?」
そんな風に感じました。
\(a\)と\(b\)のいずれかが\(0\)でないとき
\(a \sin \theta+b \cos \theta=\sqrt{a^{2}+b^{2}} \sin (\theta+\alpha)\)
\(a \sin \theta+b \cos \theta=\sqrt{a^{2}+b^{2}} \cos (\theta-\alpha)\)
ただし, \(\alpha\)は\(\displaystyle \sin \alpha=\frac{b}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}},\cos \alpha=\frac{a}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}\) を满たす角度とする。
三角関数の合成の証明や練習問題は「三角関数の合成公式と証明、練習問題で理解しよう!」にまとめました。
三角関数の和積・積和の公式
三角関数の和や積の形を変換する公式を和積の公式や積和の公式といいます。
積和の公式
まずは積和の公式から!
積和の公式
\(\displaystyle \sin α \sin β=\frac{1}{2}\{-\cos (α+β)+\cos (α-β)\} \)
\(\displaystyle \cos α \cos β=\frac{1}{2}\{\cos (α+β)+\cos (α-β)\}\)
積和の公式は加法定理を用いて、導くことができます。
詳しくは「【積和の公式&和積の公式】積和の公式の導き方と覚え方」
和積の公式
つぎは和積の公式です。
和積の公式は積和の公式から導かれます。
和積の公式
\(\displaystyle (2) \cos A+\cos B=2 \cos \frac{A+B}{2} \cos \frac{A-B}{2}\)
\(\displaystyle (3) \cos A-\cos B=-2 \sin \frac{A+B}{2} \sin \frac{A-B}{2}\)
和積の公式の証明は「【積和の公式&和積の公式】和積の公式と導き方」
三角関数を利用した公式
その他にも三角関数を利用した公式がいくつかあるので紹介します。
正弦定理
正弦定理は三角形に使う定理です。
各頂点A,B,Cとして、向かい合う辺をa,b,cとする。
\(\displaystyle \frac{a}{sin A}=\frac{b}{sin B}=\frac{c}{sin C}=2R\)
正弦定理の証明や練習問題はこちら
余弦定理
余弦定理も三角形に辺や角を求められる定理です。
各頂点A,B,Cとして、向かい合う辺をa,b,cとする。
余弦定理△ABCにおいて、次が成り立つ。
\(a^{2}=b^{2}+c^{2}-2bc \cos \angle A\)
\(b^{2}=a^{2}+c^{2}-2ac \cos \angle B\)
\(c^{2}=a^{2}+b^{2}-2ab \cos \angle C\)
余弦定理の証明や練習問題はこちら
sinを使った面積公式
三角関数を使って三角形の面積を求めることもできるんです。
sin(サイン)を用いた面積公式は三角形の2辺とその間の角が分かってるときに使うことができます。
sinを用いた面積公式
2辺の長さ a, b とその間の角 A の三角形の面積は
\[
\begin{aligned}
S &=\frac{1}{2} b c \sin A \\
&=\frac{1}{2} c a \sin B \\
&=\frac{1}{2} a b \sin C
\end{aligned}
\]
と表すことができる。
2直線のなす角と傾きの関係
tan(タンジェント)を用いて2直線のなす角の大きさを求めることもできます。
2直線のなす角と傾き互いに垂直でない2直線
\(y=m_{1} x+n_{1}, \quad y=m_{2} x+n_{2}\)
のなす角を \(\theta\) として
\(\displaystyle \tan \theta=|\frac{m_{1}-m_{2}}{1+m_{1} m_{2}}|\)
詳しくは「2直線のなす角と傾きの関係を解説!」
三角関数のまとめ おわりに
今回は三関数について「完全攻略」記事としてまとめました。
すこしでも誰かに役に立てていたら幸いです。
教科書に内容に沿った解説記事を挙げていくので、お気に入り登録して定期試験前に確認してください。
質問や相談もtwitter(@math_travel)の方に連絡ください。
では、ここまで読んでくださってありがとうございました。
みんなの努力が報われますように!
【2020年11月】
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
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